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働き方改革の副業解禁が義務化される可能性、される場合はいつから?

働き方改革の副業解禁が義務化される可能性、される場合はいつから?

こんにちは。

2019年の4月からの施行された働き方改革関連法に絡んで、お勤め先で就業規則が少し変わった方も多いのではないでしょうか。
中にはその前年から変わっていたという方もいるでしょう。

残業時間の上限規制や5日間の「有給休暇取得」の義務化といった変化はあったけれど、副業解禁を期待していた方はがっかりした方も多いでしょう。

2019年のゴールデンウイークの頃は、

「週末は地方に出かけて地方自治体の非常勤職員という形で経験を活かしたコンサルタント業務を行っています。」
「週末だけのカフェを始めました。老後からと考えていたので、今から実現できて幸せです。」
「普段、なかなか会う機会がない様々な価値観をもった人と出会えて充実してます。」

といった報道がテレビやネットニュースで取り上げられていました。
しかし、一方で自分のまわりでは、そんな話は聞こえてこないといった方がむしろほとんどではと思います。
働き方改革という言葉すら聞こえないという方もいらっしゃるでしょう。

そのため、気になるのは、日本全体でどれぐらい副業が認められているのか、どうしてうちは副業が認められないのか、いずれは義務化される可能性はあるのか等々ではないでしょうか。

働き方改革関連法が施行されてから、2019年の8月時点で数か月が経過し、影響もみえてきたと思いますので、現在の副業解禁の状況や今後の流れについてみていきたいと思います。

働き方改革の副業解禁の位置づけ

働き方改革の副業解禁の位置づけ

最初に手短に働き方改革を表現しますと、これまで問題を含んでいた労働環境を国が主導して大きく見直す取り組みといえます。

働き方改革の中身は義務化されているものとそうでないものがあります。

よく取り上げられる義務化されているものとして、次の2つを簡単に紹介します。

  • 残業時間の上限規制
  • 5日間の「有給休暇取得」の義務化

残業時間の上限規制とは決められた残業時間の上限を超えると法律で罰せられますよといったものです。
認められた残業時間は「原則、月45時間かつ年360時間以内まで」または「繁忙期では休日含み月100時間未満まで」、そして「月45時間を超えていいのは年6回まで」、「トータルで年720時間以内まで」となっています。

これに違反した場合は、刑事罰となるので、企業側も対応で必死だったでしょう。

企業側の対応例としては、サービス残業が指摘されないよう労働時間管理方法の変更があります。
例えば、「始業前、終業後、10分以内にタイムカードを押さなければならない。」、「始業前の10分前、終業後の10分後はパソコンを起動してはいけない。またはできないように専用のシステムを導入する。」などがあります。

5日間の「有給休暇取得」の義務化とは年間最低5日は有給休暇は取得させなさいといったものです。
細かくは年10日以上の有給休暇がある人には必ず5日の有給休暇を取得させなければなりません。
これに違反した場合、一人あたり30万円以下の罰金になります。
100人違反した場合、3,000万円の損失というこですね。。。

企業側の対応例としては、「年初前に有給休暇の年間予定を5日分申請させる」などがあります。
会社に損害を与えないためにどうどうと予定日に休めるということは気持ち的にありがたいですね。

ここまで義務化されているものの例についてみてきました。
次に義務化されていないものの中に今回のメインテーマでもある副業解禁があります。

義務化されていないとはどういうことかといいますと、副業は働き方改革関連法に含まれていません
ニュースなどの報道で、働き方改革関連法と一緒に副業解禁の話題が報道で取り上げらえれたので、法的に規制が緩和されたと誤解された方も多かったかもしれません。

では、なぜ、当時、話題になったかといいますと、副業は働き方改革関連法に含まれないけれども、働き方改革の計画には含まれるためです。
具体的には厚生労働省のWebサイトの「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で副業解禁の促進について書かれています。
しかし、このガイドラインには法的拘束力はありません

副業解禁が法制化されなかった影響の一つに経済団体連合会(以下、経団連)の反対があります。
2017年に当時の経団連の会長が「副業解禁を推奨しない」といった発言などから、会社側の副業解禁への抵抗が大きかったと予想されます。
会社側としては時代錯誤であるとしても副業を認めてしまうと滅私奉公の考えを基にした従来の方法で社員を統制できなくなったり、生産性が落ちて業績がダダ下がりになるのではという不安があるのでしょう。

しかし、政府、国側は副業解禁をしたいという考えがあります。
理由は、慢性的な人手不足解消と税収アップへの期待があります。
個人的には仮に副業解禁したからといって人手不足が解消するかといったら、少しギモンに感じます。
副業でしたい仕事=慢性的な人手不足になる仕事とは限らないからです。

こうして企業側、国側、双方の思惑の間を取る形で副業解禁は法的拘束力のないガイドラインに落ちついたとみています。

とはいいつつ、本ガイドラインをきっかけに副業解禁した企業も少なくありません。
しかし、基本的には大企業、とりわけ有名企業でばかりです。
中小企業は9割近くでいまだ、副業を認めていない状況です。

有名企業では他の企業より時代の流れを敏感に感じ取る機会が多く、重要とみる考えや余裕があるのでしょう。
給与待遇が高い上に副業による副収入とはなんとも羨ましい限りではありますね。

以下、副業を解禁した企業の一例です。(2019年8月時点)

LINE
NTTデータ
NTTドコモ
ソニー
ソフトバンクグループ
資生堂
みずほフィナンシャル・グループ
...

副業解禁の目的は様々ありますが、公表されているもので多いのは次の点です。

  • 優秀な人材の確保

副業を認めることで、優秀な人材の採用や人材流出の食い止めにつながるという考えがあるようです。

ここまで流れをまとめますと、働き方改革の副業解禁の位置づけとしては法的な義務はないが、ガイドラインとして改革計画に組み込まれていて国策であるといえます。

次に副業解禁が義務化される可能性についてみてみます。

働き方改革で副業解禁が義務化されるのはいつから?

働き方改革で副業解禁が義務化されるのはいつから?

副業解禁が義務化されるには働き方改革関連法の法改正等で法制化される必要があります。

ただ、副業解禁が法制化されるには現在の法律では不十分という根拠が必要になります。

例えば、次のような可能性も予想されます。
残業時間の上限規制のために、これまで以上に時間あたりの仕事量が増える方もいるでしょう。
そのような時に次第に精神的な負荷が重なることで、労働時間が過労死ラインを越えていないにも関わらず、過労死の数に変化が見られなかった場合、法律が不十分として法改正が議題になることも考えられます。
これはあくまで個人的な見解ですが、決められた時間内に仕事をこなさなければならない状況では、パワハラによる精神的な被害者が増えていくような気がしてなりません。

では法制化されることに仮になった場合、現在の働き方改革法にはどのような変更があるのか考えてみます。

残業時間の上限が関連法成立以前に戻ることはないでしょう。
某広告代理店で起きたパワハラによる過労死など様々な悲しい事件がきっかけでできた法律でもあります。

そこで解決策として"宙ぶらりん"となっていた副業解禁の義務化につながるかもしれません。

パワハラによる精神的な苦痛が重なると、正常な思考が働かず、会社を辞めて逃げるという考えすらもてなくなってしまう方も多いです。
しかし、副業が当たり前のように浸透すれば、精神的に会社への依存度が減ることで、会社を辞めて逃げるという考えすらもてなくなってしまうほど、思い詰めてしまうことは避けられると思っています。

その他の考えられる変更点としては、副業時間と残業時間の上限規制の兼ね合いがあります。
現状では残業時間の上限規制に副業の時間も含まれるとなっていますが、企業側の状況を考慮して現在、検討されているのが副業の時間を残業時間の上限規制に含めないことです。
検討理由は副業解禁後も残業時間の上限規制に副業の時間も含まれるままでは、副業をしていた人が過労死に至った場合の企業の責任の範囲もあいまいになるためです。

ここまで、副業解禁の義務化の流れについて仮定してみましたが、法改正の議論が開始されるかどうかは少なくとも、働き方改革関連法による効果が検証されるまで待つ必要がありそうです。

仮に将来、副業解禁が義務化されなかったとしてもガイドラインという形で国策となったことで、申請すれば以前より副業が認められやすい状況が生まれていることは確かですので、義務化されなかったといって、そう落ち込む必要もないかと思っています。

副業にかかる税金

少し本題とは、それるのですが、副業に関係する税金について触れておきましょう。

副業に関係する税金は基本的に自分で確定申告する必要があります。

ここでは一例としてアドセンス等のアフェリエイトを例にみてみます。

副業としてアフェリエイトから得た所得は雑所得となり、所得税と住民税の課税対象になります。

  • 副業の所得が20万円を超える場合
    所得税→必要あり
    住民税→必要あり
    確定申告→必要あり
  • 副業の所得が20万円以下の場合
    所得税→必要なし
    住民税→必要あり
    確定申告→条件付きで必要あり

副業の所得が20万円を超える場合、所得税と住民税が必要です。
確定申告も必要です。

確定申告による所得税の納付方法は現金納付と振替納税の2つです。
現金納付は納付書に支払い金額を記入し、所轄税務署の納税窓口や、銀行、郵便局で支払います。
コンビニでは支払いはできません。
振替納税は指定した口座から自動引き落としによる納付方法です。

副業の所得が20万円以下の場合、住民税のみ必要です。
確定申告はケースバイケースで、住民税を会社経由ではなく、自分で払いたい場合は必要です。

自分で払いたい場合は確定申告をする際に、確定申告の用紙に、普通徴収(自分で納付に○を付ける)を選択します。
その後、住民税の納付書は勤務先だけはなく申告した人の住所宛てに届きます。

副業にかかる税金について所得金額別にわけてみましたが、個人的には所得額に関係なく、副業している方は確定申告されることをおすすめします。

最後に

副業解禁は今、施行中の働き方改革関連法には入っておりません。

しかし、国は慢性的な人手不足解消のために副業解禁の法制化をまだ諦めていないと思います。
その根拠として「副業・兼業の促進に関するガイドライン」でみてとれます。
これは国側、企業側の間をとった妥協の産物ですが、副業解禁が国策である宣言ともいえます。
条件が整えば、法改正で副業解禁が組み込まれることを予想しています。

時期としては少なくとも、現在の働き方改革関連法の効果の検証ができるまで待つ必要があるでしょう。
次回の衆議院選挙が遅くても2021年の秋までにあると考えれば、その後の政権でということになるでしょう。
もちろん現在の自民党政権が続くという前提です。
働き方改革関連法の成立時、国民民主党などのほとんどの野党が反対していましたから。

ただ、将来、副業解禁が義務化されなかったとしてもガイドラインという形で国策となったことで、申請すれば以前より副業が認められやすい状況が生まれていることは確かです。
このため、副業が理由で会社から解雇等の不当な扱いは受けにくくなっていると思います。
今、お勤めの会社の就業規則になくても、相談すれば、なんとかなるかもしれません。

本記事が2019年4月に施行された働き方改革と副業解禁の関係性の理解につながれば、うれしく思います。

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